Run x Climb = Fun!!

登って走ってスピードハイク

甲斐駒ケ岳・黒戸尾根・厳冬期・日帰り

スピードハイク・スタイルでの登山の魅力を共有するのにどうしたらよいのか…と考えて、著者がスピードハイクのスタイルで登った山の中で最も印象的だったものを紹介します。


甲斐駒ケ岳 (厳冬期・黒戸尾根・日帰り) [山行記録] - ヤマレコ

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詳細な記録はヤマレコに上がっているものをご覧下さい。

甲斐駒ケ岳(中央高速・中央線からよく見える南アルプスの険しい山)の黒戸尾根は、登山口から山頂までの標高差が2,300mあり、厳冬期ではパーティーやコンディションによってはロープが必要とされる難所があり、山の総合力が求められるルートです。無雪期でも1泊2日が一般的で、雪のある時期は小屋泊まりまたはテント泊がほぼ必須となるこのルートを日帰りでやっつけることを決めて実行しました。

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アイゼンやピッケル等といった装備が必要になる登山を「スピードハイク」にカテゴライズできるのかは分かりませんが、 著者の感覚ではこれも立派なスピードハイクです。2011年は自転車競技をやっていたので2012年年初は体力面に余裕があり、アグレッシブな計画を立てて準備をし、装備を切り詰めて実行に移して計画通りに行動することができました。

黒戸尾根のコースタイムは約16時間。厳冬期にコースタイムの8時間で登って下ってくることができたのは、自分にとって大きな自信になりましたし、軽快にピークハントをする山登りのスタイルの可能性が目の前に広がっていることを感じる、エポックメイキングな経験だったように思います。

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スピードハイクの魅力は、なんといってもその行動の自由さと、充実感です。己の力を知り、登山地図を眺めてルートを考えて、作戦を練って計画を作り、コンディションを見極めて、計画を実行に移す。

シンプルかつミニマムな装備で山頂を目指すスタイルには、アルパインスタイルのクライミングに通じる潔さがあります。一般的な登山がエキサイティングではないということはありませんが、過保護な登山には冒険的要素やスポーツ的要素が希薄で、スピードによって得られるルート選択の自由度と、よりダイレクトに山を感じられることこそがスピードハイクの最大の特徴でありメリットだと著者は考えます。

もちろん、その自由の代償としてよりしっかりとリスクと向き合う必要はあるわけですが、その点については改めて書くことにします。