Run x Climb = Fun!!

登って走ってスピードハイク

全国トレイルランニング コース徹底攻略ガイド

日本国内のおすすめトレランコースを紹介した本。

短くて20km前後、長くて80km+(かつ3,000m峰を複数越える)の過酷なルートも紹介されていて、トレイルランの延長線上にある「スピードハイク」ルートの紹介本といった印象。初心者向けのルートも、定番の鎌倉アルプスなんかは省かれていて、飯能のあたりの山だったり、丹沢だったりの比較的「山」要素の強いコースが選ばれている。

ランをやっていてトレイルランをやりたいなという人で、「山ってどういう感じで走れるのかしら?」というところに興味がある人が手を伸ばしてみるとよい本だけど、実際に行くとなると一部の分かりやすい&簡単なルートを除いて、ルートをしっかり把握したり、山登りの基本的なこと(装備、コンディションの見極め、マナー)をしっかり理解して実践する必要があると思う。そういう意味で言うと、今のトレラン業界ってビジネスチャンスはたくさんあるんでないのという気もする。

個人的にツボだったのが、登山のテント縦走だと5,6日はかかるであろう、黒部湖-立山-薬師-黒部五郎-槍ヶ岳-上高地を3日のコースとして紹介してるところ。このコースは登山者にとっても本当に魅力的なコースで、これを3日で抜けられたら素晴らしく充実した行動になるはず。昨年の春に行った丹沢主稜を巡るルートについても、西丹沢自然教室から直接檜洞丸を目指すのではなくて、わざわざ遠回りして畦ガ丸に登って大倉尾根に下るルートが紹介されていて、自分はまだまだ甘いなぁ…と感じたりして。

紹介されているコースの所要時間の設定は、全般的に言って山登りの約半分といったところ。そう考えると、自分が実践している速攻スタイル(だいたいコースタイムの半分でややロングのルートを落とす)はトレイルランに近い領域の活動なのかなと思うのと同時に、強い登山者であればトレランシューズを履いたりすることもなく、軽めの装備で同じような行程を行けるのかなという印象を受けた(走れる区間が長いルートはその限りではないけれど)。

トレイルランのスタイルで山登りをすると、こんな行動ができますよ、そしてこんなルートが楽しそうですよ、ということを知るにはよい本。