Run x Climb = Fun!!

登って走ってスピードハイク

2万5000分の1地図の読み方

「地図の読み方」と聞くと「そんなの知ってるよ」と思われるかもしれません。でも、等高線の書かれた「地形図」から正しく現在位置を割り出したり、地形を予想したり…といったことがちゃんとできる人、となると、きちんと山登りをやっている人に限られるのではないでしょうか。

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ある程度本格的に山登りをするとなると、2万5000分の1地図の読み方は絶対にマスターしておきたい技術だと思います。地図を見て、ルートをイメージして、地形を把握して、現在地を確認して、これから進むルートを決めて…ということを考えると、地図読みは山登りをやる上で基本中の基本とも言えるスキルです。過保護なまでにルートや標識が整備されていて、スマホ等のGPSであっという間に現在地が確認できてしまう現代的な登山では、読図能力の必要性は薄れているかのように思われますが、地形図を見て地形を読むことができれば山の楽しみ方が一気に広がるだけでなく、いざという時の安全性にも直結します。

でも、いまさら「地図の読み方」なんてどうやって学べばいいのやら…という人にお勧めしたいのがこの本。地図の読み方、地形図の理解、フィールドでの正しい地図の利用方法、現在地の同定方法、そして読図能力の磨き方…と、極めて実践的に地図を使う方法が紹介されていて、きちんと地図・地形図を読めるようになりたいという人にはうってつけの内容になっています。

山登りの世界では、コル、マイナーピーク、支尾根といった聞き慣れない単語が使われますが、この本を読んで地形図を向き合うことで、これらの単語を聞いただけで地形をイメージすることができ、その先にどういった地形が繋がっているか…というところまで理解が深まるはずです。また、等高線だけが書かれた地形図も、正しい読図能力をつけてからじっくり地形の特徴を見ていくことで、立体的に見ることができるようになり、地形をその場に浮かび上がらせることができるようになるはずです。

地図にない道を行くクライマーや沢登りをする人はもちろん、一般登山道しか歩かない人でも正しく地形を理解して山を登ることで登山活動は一段と深まるでしょう。

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ちょっとだけ記事に関係あるこの写真は北アルプスの黄金平。横尾本谷の右俣を詰めた先にあるカール地形ですが、ルートファインディングが必要なことと、ルートが多少悪いこともあって、涸沢が人で一杯になる紅葉のベストシーズンでも静かに綺麗な紅葉を楽しむことができる別天地です。ちなみにウェストンが最初に槍ヶ岳に登った時はここを通ったらしく、沢沿いの道は比較的マシでした。