Run x Climb = Fun!!

登って走ってスピードハイク

スピードハイクのルート探しとプランニング(1)

山登りでも、サイクリングでもそうなのですが、どうやら自分は計画を立てるのが好きなタイプのようです。極端な話、ルートを考えてニヤニヤして、そこで満足しちゃったりすることも多々あり…。

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(画像は2008年にやった北アルプス大縦走のルートログ。劔から上高地まで、テント泊の単独行で6,7日かけて抜けました。)

 山登りでのルート探しというと、山地図と経験を頼りに

  • ルートの長さ (コースタイムでX時間)
  • ルートの難易度 (ルートファインディングの有無、装備・技術の要不要)
  • ルートのハイライト (景色、下山後の温泉、花のシーズン)

といったあたりを考えながらルートを固めて計画を形にしていくわけですが、特にリーダーとしてパーティー登山を計画・実行する場合はメンバーの体力・技術を考えながらルートをイメージする必要があり(ある種のシミュレーション)、ルートの選定はそこが最も難しく、面白いところだと思っています。

また、いかに綿密にシミュレーションしたところで不確定要素はあるわけで、実行するプロセスでは想定していなかった出来事(コンディションの変化、異変、メンバーの怪我等)をいかに対処して無事に山から下ってくるか…というところは机上の理論だけでは済まされない泥臭い現実と向き合う面白さがあります。

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前に「yamakeiさんはどうして山登りが好きなんですか?」と初心者の女性に聞かれた時に、「登山計画をシミュレーションして、それを実行していくプロセスが好きです」と真顔で答えたところどん引きされたことを覚えていますが(汗)、自分にとって山登りというのはリーダーであろうとなかろうと常に当事者としての立場で向き合いながら楽しむものだと思っています。

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自転車のルートに関しても同様で、自分で走る時も、誰かと一緒に走る時も、特にツーリング的要素の大きなサイクリングでは、メンバーの体力が技術をベースに、走りやすい区間や楽しい区間をいかに繋いで、さらにそれを無事に実行に移せるか…というところはサイクリストの腕の見せ所と言えます。

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自分がロードバイクに乗るようになって最初にやろうとしたことは、都内の自宅から自走(家から走り出して、家に帰る)で行ける範囲の峠をしらみつぶしで走ってみる…というものでした。2年くらいかけて200km走って行ける峠(=1日で無理なく行ける範囲)は一通り行き尽くしたところで速く走る方向に興味をもってレースを走るようになりましたが、レースを走る上でも練習のルートを自分で考えたり、レースコースをイメージする能力は大いに役立ちました。

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…で、ようやく本題に入るわけですが、スピードハイクのルート探しはある意味バリエーションルートみたいなもので、一般登山道を使うとは言ってもいわゆる山の地図に書かれているコースタイムはアテにならず、メンバーの体力や技術、それにコンディションを見極めた上でルート設定を考えて計画を立てる必要があります。

例えば登山のコースタイムで12時間のルートがあったとして、それを日帰りの6時間で行こう…と考えた際に何を根拠にして予定行動時間が「6時間」になるか、ということを計画を立てる際に論理的に導き出せる必要があるわけです。

経験的に言って、一般登山の括りの中でも強くて足の揃ったパーティーが装備を軽量化した上でロスタイムを最小限にするよう行動することで、コースタイムの半分程度で登山活動を行うことはできます。ただし、メンバーの足と意思が揃うことが大前提ですし(よほど意識してメンバー集めしないと無理)、一般的な登山の価値観には「じっくり山を楽しむ」ことも含まれているので、「そんなに急いで楽しいの?」という疑問も生まれがちで、いわゆる山岳会やクラブの活動として理解を得るのは難しいように感じます。

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そこで、価値観と足並みを揃えるのに便利なのが登山活動のいちバリエーションとしての「スピードハイク」という名称でありスタイルなのかな、というのが自分の意見です。

もちろんルート設定やプランニングの本質的な難しさそのものは変わらないわけですが、トレランスタイルで軽量化&一般登山とは異なるスタイルですよーということを周知することができ、そのスタイルを前提とした計画を立て、実行することができる、というところに意義があるのではないでしょうか。

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エントリーが長くなってしまったので、この記事はここまで。次回のエントリーでは自分が実際に計画を立てる時に気をつけていることや、行ってみたいルートをまとめてみようと思います。