「スピードハイク」どうでしょう?
このブログでは、「スピードハイク」と呼ばれるスタイルでの山登りについて、筆者が実践してきたこと、考えていること、思ったことをまとめていこうと思います。
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まず、「スピードハイク」とは何か、ということについて。
筆者の中での「スピードハイク」の定義とは、山登りのルートを軽快な装備と高い行動力で、一般的な登山での行動時間よりも大幅に短い時間で行動すること、です。世間一般で言うところの「登山」と「トレイルラン」を足して二で割ったような活動だと考えるとよいのかもしれません。
「登山」がその名の通り「山に登る」ことを目的とした活動であり、「トレイルラン」が「トレイルを走る」ことを目的とした活動だとすると、「スピードハイク」とはトレイルランの手法を取り入れることでスピードアップを目指した山登りと言うこともできるかもしれません。
いずれにせよ、「スピードハイク」は厳密に定義するのは難しく、厳密に定義する意義もそんなになさそうなので、ひとまず上記のような曖昧な定義のままにしておくことにします。
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筆者は子供の頃から山に親しみ、高校・大学をイギリスで過ごしてから社会人として戻ってきた日本で山登りを本格的にはじめました。会社の山岳部に所属し、ハイキングから縦走、雪山から沢登り、そして岩登り…と幅広く日本の山に登ってきて、今もっとも興味があるのが「スピードハイク」スタイルでの登山です。
どのスタイルでの登山にもそれぞれのよさはありますが、ルートがよく整備され、装備も驚くほど進化・軽量化してきた中で、「スピードハイク」は山と最もダイレクトに向き合うことができるスタイルだと著者は考えています。
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著者の身の回りだけかもしれませんが、トレイルランはランの文化圏に属するものとして認識されている印象があります。クラシックな登山者がトレイルランへの理解を示したり、積極的にその手法を取り入れるという例は少なく、逆にランの延長線上の活動としてトレイルランを楽しむ人たちがクラシックな山登り(ハイキング、岩、沢、雪、など)に入っていく…という例もあんまり聞いたことがありません。
個人的にこれは大きな機会損失だと思っていて、どちらの世界もたしなむものとして、クラシックなスタイルでの山登りでもなく、レースで山を走るのが主目的となるトレイルランでもない、「スピードハイク」で楽しむ山登りの魅力を紹介していけたら…と考えています。